“残り1年半”
それが櫻井が調べてきてくれた答え。
つまり、俺たちはあと1年半はこの事務所との契約を続けなければならないってことだ。
「あとまだそんなに?!……マジかよ、そんなに待てないっつーの!!」
ライが口をへの字にして不満の声をあげる傍ら、ショウと俺は神妙な顔つきになっていた。
だってそうだろ、1年半もこのまま堅苦しくて自由に動けないところにいるなんて。目的を見つけてしまった俺たちにとっては檻に入れられた動物みたいなもんだ。
走りたいのに走れない。飛びたいのに飛べない。
歌いたいのに、思い切り音を出したいのに。それすら出来ない窮屈な、目に見えない檻の中に入れられてるんだ。
「どうするよ、ショウ」
探るようにその瞳を覗けば、鋭い視線を自身の指先に注いだままでショウはしばらく黙り込んでしまった。
それにつられて俺も何とはなしに無言になった。
「お~い、オマエらなに黙ってんだよ!?なんとか言えって!どうすんだよ!?おい、お~い、聞こえてますか~?」
ライが俺とショウの目の前で手のひらをヒラヒラと振りだした。