「まあ言っちゃったもんは仕方ねぇし」
くすり、と笑ったのはショウだった。
手の中でライターを弄びながら口角を上げてこっちを見てるその目はちゃんと笑ってる。
「え、いいの?」
「いいんじゃね?」
「……それ本気?」
「本気」
俺とショウが顔つき合わせて会話してると、ライが間に割って入ってきた。
「ちょちょちょ、ちょい待って!なに?それってショウもオッケーってこと?!」
てか煙草くわえながら顔を近づけるなっての!!
俺は近付いてくる煙草の火を避けつつ、ライの頬を押し返す。
ショウもライから離れながら苦笑い。その薄い唇で話を続けた。
「だってこのままこの場所にいる意味もねえだろ?今の俺たちは偽の音楽で成り立ってるようなもんだ。そんなのもうこりごりだし?だったらいっそ全部捨てて最初っからやり直してみるのも悪くない」
だろ?とライの顔を覗き込むようにして言うショウに、ライは少し考えるような様子で唇を噛んだ。
……なに、まさかコイツ反対なのか?!