「…………おーーい、反則だろ、これ」

ライとの通話を切って15分後。俺は近所の大型書店の音楽雑誌のコーナーで呟いていた。

手にしているのは“GLARE”って雑誌。そう、あの東條がインタビューの時に言ってた雑誌。

……あんだけ俺たちの音楽けなしてたってのに、なんだよこの記事?!

自分の顔写真が載ってるページを開きながら、俺の頭ん中にはアイツが言ってた台詞が思い出されていた。

“僕は君たちの音楽、好きなんだ”
“そう簡単に壊れてもらっちゃ困る”

「……っくそ!」

俺は手にしていた雑誌を叩きつけるように本の山に戻して、本屋を飛び出していた。

ふざけんなあのヤロー!!!

勢いに任せてさっきまであんなにかけるのを躊躇っていたアイツの携帯番号を、即座にプッシュする。