『誰って……あのバンドのメンバーの奴だってよ!』

「いや、だから名前……」

『名前?あ……、誰か聞くの忘れた』

「………」

結局そんなに興味ないんじゃん、コイツ。
まあどうせ海斗か紅志のどっちかだろうな、あのドラマーではなさそうだ。

俺は勝手にそう考え、PRISONERのメンバーを思い浮かべる。

アイツら、なんかこじれてそうだったからな……。

恋愛事には興味ないけど、それでメンバーがギクシャクしてんのは何ともいえない。
さっさとケリつけるが一番いい。

今度アイツらに会うことがあったらさり気なく訊いてやろう。

そう思った。

「で?オマエは泣き言のためだけに電話かけてきたわけ?」

俺はさっさと話題を変えようとライに問い掛けてみた。

マジでフラれましたの報告だけだってんなら、本気で切ってやる。