そして。

そんな彼らを見る為に、その手を離したわけじゃないと。
空っぽになった彼らの音なんて、聴きたくもないと。

絶望して、壊れたのは誰か……。





私が彼らの音楽を聴いたのは、彼らがメジャーデビューした頃だった。

毎日送られてくるデモテープやディスクの山の中から、吸い寄せられるように手が伸びたそれ。

耳に入ってきた途端に暴れまわる音、声。
心臓が、潰されるんじゃないかと、思った。
頭が痛くなるまで聴いて、聴いて、聴いて……。

離れられなくなった。

こんなバンドに出会った自分を、最高に幸せだと感じた。



なのに………。