思い出し笑いのように俺が小さく笑ったら、ショウの目がチラリと俺を見た。
「タキの言うとおり」
一言だけ呟いて、その視線はまたライに向けられた。
ライは顔を覆っていた両手のうち、片方だけはずしてその手を自分の喉元へとあてる。
「俺の、声。……まだ役に、立つ？」
少しばかりずれたことを口にしたライ。だけどショウはふわり、柔らかい笑みを浮かべてライの腕を軽く叩いた。
「当たり前。俺はオマエの声がいっちばん好きなの」
なんだよそれ、ショウばっかいいとこ取りじゃねぇ？！
そんなことを考えた俺は、慌てて口を開く。
「お、俺だってライの声好きだっての！オマエの声がなきゃここまでこれてねぇし！」
「なにムキになってんのタキ？オマエはあのガキの声がお気に入りなんじゃなかったっけ？」
クスクスと意地悪そうに唇を吊り上げるショウ。
「なに……、そのガキって……？」
ライがガバッと顔をこっちへ向ける。
それを見てますます笑い出すショウ。
……やっぱ、性格わりぃ。
