ショウは切れ長の目を更に鋭くさせ、目の前の男を射殺すんじゃないかってくらいに冷たく、冴え冴えとした光を浮かべた瞳で、笑った。

「余計なこと、してくれるな、オマエ」

聞いてるこっちが凍りつきそうになるくらいの、低くてドスの効いた声。

しかし、それに怯む様子もなく、東條もワザとらしい笑みを口元に張り付かせたまま。

「いえいえー、やっぱり本当のこと知っておいてもらいたいから、ね」

軽い口調で言い放つその言葉に、俺はボソッと呟いていた。

「ふざけんな」

なんで、こんなヤツにいいように乗せられて、こんな大切なことをこんな最悪な状況で言わなきゃなんねぇ?!

あまりに有り得ない展開に、正直頭がついていってなかった。

「おや、タキくんもご立腹?やーさすがに二対一じゃ分が悪いなぁ。ま、まだ色々話すこともあるでしょ、僕はこの辺で退散するよ」

ヘラヘラと笑いながら、東條は自分の鞄を手に櫻井が突っ立ったっままのドアへと足を向けた。