「お待たせで~す、乗ってください」
助手席の窓が開いて聞こえた、櫻井ののほほんとした声に救われる。
俺は黙ったまま後部座席に乗り込んだ。ライは助手席に座る。
ライさんちのが近いんでそっちから、と話し始めるマネージャーに適当に相槌をうちながら俺はぼんやりとライの横顔を眺める。
……きっとまだ責任感じてんだろうな。
1年半前のコイツの顔はもっと…イイ顔してた。
俺はライの顔から視線を外して、すっかり暗くなってる窓の外に目をやった。
あぁ、今は夜か…なんか時間の感覚ねぇな…。
ぼんやりとそんなことを思いながら俺の意識は睡魔に負け、眠りに引き込まれていった―――。