――レコーディングのキリがついて、俺達は解散。

ショウはまだ少し音をいじりたいと、プロデューサーと話し込んでたから、俺とライは先に櫻井に送ってもらうことにした。

スタジオの外で待っている間、ライがまた煙草を口にくわえた。

「…最近吸う量多くね?喉、潰すなよ?」

煙草に火を点け、軽く煙を吐き出してからライはじろりと俺の顔を見上げた。十センチほど下にある目が俺を睨んだ。

「俺の声なんて潰れた方がタキやショウには都合がいいだろ?……俺なんかとやりたくもねぇくせに」

フッと自虐的な笑みをもらしたライ。それを見て、俺は思わず声を荒げていた。

「ふざけんな!何回言ったらわかる?俺はもう何とも思ってねぇ!」

ピクリとライの形良い眉が震えた。焦げ茶の瞳が少しだけ動揺したように揺れる。

俺はその目をジッと見据えてもう一度口を開いた。

「二度と言うなよ、今みたいなこと」

「……わかったよ」

長い溜め息と共に、ライはボソッと呟いた。

それと同時に、櫻井が駐車場からとってきた車が俺達の目の前にピッタリと停止させられた……。