ライの真っ直ぐな視線に、櫻井は照れたように目線をキョロキョロさせてボソボソと。
「あの…ライさんって普段は表情があまり顔に出ないけど、ライブの時は別で…なんていうか、生き生きしてるんです。歌うのが大好きってのがすごい分かるんです。で、その顔見てると安心するっていうか…」
「あ゛ーーーっっ!!もういいっ!わかったからっ!」
櫻井の声を遮っていきなりライが大声をあげた。
「照れてる」
テーブルの上のミネラルウォーターを一気に飲み始めたライを見て、ショウがポツリと呟いた。
「照れてるね」
俺がそれに答えると、櫻井が目を丸くした。
「照れてるんですか?!」
「照れてねぇっ!」
ドンッ、とペットボトルをテーブルに乱暴に戻し、ライは席を立った。
「どこ行くの~?」
俺が目線だけライに向けて聞けば。
「煙草買ってくる!」
「さっき買ってきただろ?」
スコアを見ながら再びツッコんだショウに、うるせー、と肩越しに一言寄越してライはドアを思いっ切り閉めて出て行った…。