「何?あの女に恋でもしたの?」


後ろには千里さんがいた。


「びっくりするじゃないですか!!」


「そーんなにあの女が知りたいの?なら今日仕事頑張ったら教えてやるよ。多分翔也も口は開かないよ。彼女の事は特に。」


「そうなんですか・・。」


「それにお前、昨日色々考え込んでいたらしな。あまり考えすぎは良くないぞ。はいっ!頑張って~」


千里さんは手をひらひらさせながら行ってしまった。


それから私は頑張った。気になった女の人は40分程度で帰ったのかいなくなってしまっていた。忙しく働いていると仕事が終わる時間帯になっていた。


「売り上げすごかったね。流石だよ。」


振り向けば千里さんがそこにはいた。


「あっ。千里さん!教えてください!」


千里さんのとこへ行った。


「あぁ。あいつはUSUALLってバンドやっているんだって。」


「そうなんですか?」


「そう。ギタリストの純だよ。」


「嘘・・・。」


私は純さんが来てるとは知らなかった。なんか言葉では言えない気持ちになった。


「そんで、今度お前に会ってみたいだって。たまたま来た次子が昨日のライブの事を純に直接話してたけど、お前純しか目が行ってないみたいだったそうじゃないか。そしたら「明日、そのコに会う。」って言ってて。」


「でも・・・・」


「純の希望なんだよ。それにちゃんとお礼もしてないだろ?」


「まあ。そうですけど・・・・」



「あ、お前の事はお見通しだったらしい。すぐに男だと分かったらしい。助けたときに「やけに腕っぷしが強いし妙に男顔で身長も高いし」だって。それに「声が女にしてはハスキー過ぎ。」って。」



私は顔を真っ赤にしてしまった。