「純さん?」


目覚めたら博子ちゃんがいた。


「ずっと寝ていた?」


「もちろん。ぐっすりと。」


「ごめんね。お仕事あったのに。」


「いいえ、私も眠っちゃいましたし。」


「じゃ、戻ろうかな。お仕事今日もあるよね?頑張ってね。」


ギターをまた担いであたしは歩き出した。


「おっ、朝帰りかよ。」


「うるせーな。つーか千里こそ。」


「俺は一応此処を管理していなきゃいけないの!家賃払うのも俺、アパートとか女の子達のバイトのローテンションとかも決めてるのも俺!!変わって欲しいよ。」


「昔となってはね。カップリングりはそんなあんたを励ます曲を作ってるからな!楽しみにしてろよ!」


あたしは手でピストルの形を作り千里の胸にめがけて撃った。


「懐かしい。最初そればっかしょっちゅうやったよね。」


「ね。じゃああたいは帰ろうっと。」


千里に背を向けて真っ青な空の下歩いて行った。


「たくましくなったね。そこいらの男子よりもかっこいいね。純らしいね。」



「翔也さん。でも、昔の感情は捨てましたから。」



「またまた。千里くんだってあの頃は「純が俺の全て」って言ってたじゃない。」



「けれど、純は好きかどうかなんて知らないし。いいんです。このままが。」


と二人の会話を博子ちゃんから聞いた。