「んで、そのコが気になったから俺らの所に来たらしい。」


「俺、ライブ見たときから純さんに恋してしまったみたいで。」


「まあ、男だからね。恋愛は悪くないよ。んで純が好きな理由は?」


ストレートに千里さんは聞いてきた。


「俺とは違うというか・・・。やっと自分と向き合ってくれる人が現れたと思ったし、トラウマも乗り超えられそうで。どっちかと言うと恋よりかは一生ついて行きたいような存在なんです。」


「確かに純にはカリスマ性があるしUSUALLは次々にライブハウスの記録を塗り替えているし。まあ、純に話でもしておくよ。」


「ありがとうございます!」


少しだけ気分が楽になったようにも思えた。


「千里くん。言って良かったの?」


翔也さんが声をかける。


「博もそろそろこんな事をやってても意味ないでしょ?それに独立も必要だろうし。翔也さんもそれは思っている事でしょう?」


「それはそうだけど・・・・。けれど純ちゃんが全て受け止めてくれるか分かんないじゃない。」


「でも、どう転ぶかはオカマの振りした訳ありの男に任せるしかないだろうし。純についていきたいと思うなら一生純についていくのも悪くはないよ。」


「恋愛感情はないの?」


「ああ。そうみたい。恋愛感情があるのは俺の方みたいだな。」


この二人の会話を私はこっそり上から聞いてしまっていた。


色々な思いと感情が渦巻いていた。静かに部屋へと戻って行った。