そのとき繋いでいた手がそっと離れた。今にも不安があふれだしそうなあたしは黎をみる。だけど、もう黎はあたしのほうをみてはくれなかった。 「…どう、したの?」 緊張と不安でうまくしゃべることができない。黎の顔はそむけられたままで、あたしは涙がこぼれそうになる。 「もう、別れよう」