賢雄の隣に村医者が座り、向かい合うような形で理緒、十夜、日向が座る。
腕を組み、賢雄が呟く。
「…此処に集められた理由は、皆分かっておるな?」
賢雄の言葉に四人は頷いた。
理緒が口を開く。
「あいつ…嘉禄って奴が、おじいちゃんの事知ってたみたいだけど…。おじいちゃんは知ってるの?」
賢雄はうつ向き…黙って首を振った。
日向が口を挟む。
「村長、あいつらは奇妙な術を使っていました…あれは何なんでしょうか?」
その問いに、賢雄は顔を上げ応えた。
「ふむ…それは恐らく呪術じゃろう」
「呪術…そういや、あいつもそんな事言ってたな」
左腕にびっしりと巻かれた包帯をいじりながら、十夜が呟いた。
理緒が首を傾げる。
「おじいちゃん…呪術って?」
「この村…と言うよりも、この白虎国では呪術はあまり知られておらん。この国には呪術使いがいないからのぅ…」
「村長、詳しく教えてください」
日向がそう言うと、賢雄は頷いた。