「おじいちゃんも返事くれるって……よし、終わりっと」
筆を置き、背伸びをすると理緒は澪に声をかけた。
「書く所を貸してくださって、ありがとうございました」
『これくらいの事、気にするな』
そう言って、澪は微笑んだ。
理緒の服を、暁が引っ張る。
「ね、理緒ねーちゃん!!早く吹雪を見たいよっ」
「なんで暁が吹雪の事知ってんだ?」
立ち上がった理緒と暁に、十夜が尋ねた。
理緒が嫌味を込めた感じに、口を開く。
「あんたが呑気にぐーすか寝てる間に教えたのよ」
「…………。」
思わず黙りこんでしまった十夜を横目で見ながら、理緒が言う。
「よし、じゃあ外に行こっか」
「うん!!」
暁は、楽しそうに理緒の手をひいて外へと出た。
二人がいなくなってから、十夜がぼそりと呟く。
「……なんで暁には優しいんだ、理緒は」