理緒が一歩十夜から離れると、吹雪の威嚇行動も止まる。


また理緒が一歩近づくと、吹雪は同じ事を繰り返した。



「…………。」



三人は、思わず黙り込んでしまった。




十夜が髪を掻きながら、苦笑した。



「……な?言っただろ」
「十夜、あんた…吹雪に何かした?」
「何もしてねぇよ!!」



理緒の問いに、十夜は首を横に振り…否定した。


地図をしまい直した日向が、声を張った。



「と、とりあえず行こう。ずっと此処にいるのも時間がもったいないしさ…」
「そ、そうね…」



歩き出した日向の後を、理緒が早足で追う。



「おい、待てよ!!」



十夜も、遅れないように歩き…二人の側に並んだ。