理緒が広場に着くと、そこには人だかりが出来ていた。 その人だかりの中に入り、村人が夢中になって見ていたものを一緒に見た。 それは二人の少年の稽古だった。 一人は、黒髪を短く切り上げた少年…日向(ひゅうが)。 理緒より二つ歳上で、理緒にとって幼馴染みであり…兄のような存在である。 日向は白月村で、一番の槍の使い手。 現に今も、刃のない槍で稽古をつけている。