「帰るよ」

「うんっ!!」


あたしと肇は黒くてピカピカの車に乗った。


「俺も乗る」

「洋和も行ってやって」

「はい」



玄関には神楽の兄貴と洋和くん。

あと、篠原に河本。

あと、知らないメイドさん。

肇はその人を見て苦笑いをした。


「じゃぁな!!」

「バイバイ」

「「じゃぁなー」」


あたしと肇は窓から顔を出して手を振った。


最後の最後には、隣に神楽がいて、


何しに来たのかわからなかった。



でも、あたしは、あたしを救ったんだ。

って言えるよ。

だってあたしは神楽と一緒にいたいから。




車が発進して、あたしと肇はぐっすりと寝ていた。


その時、洋和くんと神楽が笑っていたのは、運転手さんしか知らない。