「ほれっ」

そぅ言って、神楽はさっき剥いだ奪取綿とバンソコウをあたしに投げた。


「わっ」

投げた本人はニタニタ笑ってる。


「神楽お前なぁ!!こーゆー物はなぁ!!」


あたしは顔面に張り付いたバンソコウとかを握って、肇に投げつけた。


「肇に投げるんだよぉ!!」

見事顔面に張り付いた。

「俺かよ!!」



「てめぇ悠!!何で俺なんだよ!!こーゆーのは神楽に投げ返すんだろうが…よっ!!」

肇は言いながら投げる。

けど神楽はソレを避けた。


「あっ!!避けるなよ!!」

「ごめん避けた」

「今更遅ぇよ!!」

「そんなキレるなって肇」

「っせぇよ!!」

「ってか笑いながらキレるなよ気持ち悪い…」

「っせぇよ(笑)」

「ほんとだ、ニタニタしながらキレてる(笑)」

「だぁあぁぁああっもぅうっせぇなぁあっ!!」

「「あ、キレた」」


あたしと神楽の声が重なった。

神楽を見ると、にこっと優しく笑った。

あたしは神楽のそんな表情を見て赤面した。

昨日も、そんな表情をしていたから、

………思い出して赤面して、顔を伏せた。