また話が途切れる

「それで見付けたんだ
写真を家族
全員の写真をさ」

写真?黙ったまま

私は聞く

「その写真には
俺が消えていたんだ
良く言えば消されていた
ハサミと黒いマジックでね
それを見た瞬間
消えたいと思った
だから心の中の俺を
消したんだ自殺と
一緒にね」

自殺?したの?

時雨が

いきなり時雨は

腕捲りをした

「ほら個々に深い
傷跡があるだろ??
カッターでやったんだ
何回も同じ所を」

そこには二度と

消える事のない

痛々しい傷跡があった

「だけど死にきれ
なかったんだ
起きた時には白い
天井があった
そして隣に居たのが
母親だった
出ていく時に言われた
アンタ何か要らないって
そこからもう
心…感情が消えたんだ
今はちょっとあるけど
これが俺の心が
消えた理由なんだ」

私は自然と

涙を流していた

だって時雨は

私何かよりも

辛い過去を一人で

背負ってきてるんだよ