そのまま時雨の

手を掴んで

歩く

5分位して自分の

家に着く

勢いよく扉を開ける

時雨は小さく

お邪魔しますと言うだけ

他は喋らない

階段を上がり

自分の部屋のドアを

開けて電気を付ける

「そこら辺に座って?
それで時雨は
どうしたの?」

時雨は下を向いたまま

沈黙が続く

「俺の心…取られ
たんだ…家族に」

え?家族に?

「理由はね昔
俺は親戚の人達に
可愛がられてたんだ
親にも何でもできるって
だけで良いように
言われてたんだ
でも俺が中学生に
なった時親は変わった
姉貴ばかり可愛がる
ようになった
そして毎日のように
悪口を言われ殴られて
一日が終わるんだ
だけど姉貴はそれを
止めてくれた
姉貴だけ信用できたんだ
だけど1年後位に
気付いたんだ
姉貴は俺の事を嫌いだと
恨んでいると」

ちょっと会話が

途切れる

この場を和ませる為に

何かしなくちゃ

「アタシ飲み物
持ってくるね」