警戒しながら

リビングに行くと

私の知らない人がいた

バタンッと扉を閉めると

皆気付いたようだ

「紫おかえり
この人がおばぁちゃんだ」
そう言われ振り返ると

優しい顔の人

「こ、こんにちは」

こんにちはでいいよね

まだそんなに

暗くないし

「はいこんにちは
おばぁちゃん紫を見る
のは何年振りかねぇ
それにしても
大きくなったねぇ」

そういえば

なんだか会ったような

気がする!!

「そして本題に
入るとこのおばぁちゃん
が色盲なのよ」

『色盲』と言う

言葉に敏感になる

お母さんは

明るめに言うけど

私にはそんなこと

できない

「お、おばぁちゃん
ってさ髪の毛の
色とか何色に見える?」

聞いちゃった…

ダメだったかな…

私の髪の色は

ちょっと茶色が

入っている

だけど焦茶に近い

「髪の色?紫の髪の色
はね黒に見えるよ
私は色盲の中でも
悪い色盲にかかった
んだよだから
全てが白黒世界―。」

どうして

そんなのに耐えられるの

どうして

『我慢』するの?

私は自然と

涙が出てきた…