私は時雨を見てると

辛くなった


何故だろう

走り抜けようとしたら

いきなり腕を

掴まれた

相手は時雨しかいない

どうしても

泣き顔だけは

見られたくなくて

顔を伏せる

「な…に…?」

恐いのか

どうしても

声が震えてしまう

「あのさ…「何してんの?」

時雨が言い掛けようと

した時…

誰かが割り込んできた

「今井が可哀想じゃん
離してあげたら?」

そう言った主の顔を

見ると━━━。




瀬山だった

そう言われた

時雨はゆっくりと

私の腕を掴んでいた

手を離す