―…それから十年の月日が流れ…

姫は、本当に目を見張る程の美女に成長した。

その他の立ち居振る舞いや嗜みなども人並み以上で、父である私も気後れする時がある程に奥ゆかしく高雅になった。

この姫を並の男になどやりたくなかった私は、二年前に裳着を済ませたものの、東宮様の御元服を待って入内させる事にした。

この姫なら御寵愛を集めない訳がないと思ったのだ。