「銀杏の枝…?」

姫の上体を支えながらそう言うと、

「あっこれにございますか?

姫様が握っていらっしゃった…」

と言って乳母が銀杏の枝を差し出してきた。


「そう!

あぁ、良かった…」

と姫はそれを受け取り、

「これ、お父様に。」

と私に差し出してきた。