「ん…」

可愛らしい声が聞こえてはっと姫を見ると、うっすらと目を開けていた。

「姫!姫!」

「姫様!」

私達が必死で呼びかけると、その清らかな瞳を開いて起き上がろうとした。

「そのまま寝ていなさい!

姫、私が分かるか!?」


「お父様…。

…あっ銀杏の枝は?」

制止も聞かず、起き上がって辺りをきょろきょろと見回す、可愛い姫。