確かにあの銀杏の木は、姫でも登れるような枝つきになっている。

しかし何故、大人しい姫が木登りなんて…


「清子、頼む…

姫をこちらへ追い返してくれっ…

頼む…」


私には、祈ることしか出来なかった。