自然と手をぎゅっと膝の上で握りしめていた。
「大丈夫だから、俺がいるだろ?」
ソッと私の手に佐和さんの手が重ねられた。
「怖いんです。私は良君の気持ちを踏みにじったのかもしれません。
紫衣の心には自分は邪魔者とありましたが、本当はそうじゃなかったのかも…
お兄ちゃんの幸せの為に良君を不幸にしてしまったのなら、私どうしたらいいのか…。」
不安な気持ちを一気に吐き出した。
私を抱き寄せてくれる佐和さん。
佐和さんのぬくもりを失いたくない。
良君も紫衣を愛してたの?
私は二人を引き裂いてしまったの?
「紫衣は三成と幸せに暮らしているんだろう?」
「はい…。」
「運命だと聞いた。
三成の運命の人は紫衣なのだから、もう誰も邪魔は出来ない。」
力強い佐和さんの声に少しずつ心が落ち着いてくる。
「俺も、…俺の運命の人を放さない。
ずっと一緒だ。」