背中に汗がつたう。
夢にうなされたから?
それとも、恐怖?
汗をぐっしょりかいていて気持ちが悪い。
「熱下がったみたいだな。」
佐和さんの手が首筋に触れた。
「念の為に計ろうか。」
手渡される体温計を佐和さんを見ずに俯いたまま受け取った。
そっか夢の事で頭がいっぱいで、すっかり忘れてたけど私やっぱり失敗しちゃったんだ。
佐和さんと一つになれなかった。
「ごめんなさい。」
「ん?」
何から謝ればいいのかわかんないよ。
「ごめんなさい。」
佐和さんと一緒にいると謝ってばかりだ。
自分が情けない。
「謝るようなこと、されてないよ。」
頭の上でポンポンと佐和さんの掌が弾む。
せめて涙は流したくないって思ったのに、そのぬくもりに堪えていた涙が流れた。