目を閉じたまましがみつくように佐和さんに抱きつくと、
「好きだよ」
背中を撫でながら佐和さんは応えてくれる。
佐和さんのぬくもりが好き。
私を呼ぶ声も好き。
サラサラな髪も、
とっても綺麗な顔も、
私を見つめる優しい瞳も、
苦しくて甘い口づけを落とす唇も、
滑らかな肌も、
大きくてあたたかい掌も、
そして何より彼の心が好き。
「全部、全部好きです。」
『好き』を伝えたいのにうまく言葉に出来ないのがもどかしい。
「佐和さんの全部が好きなんです。」
足りない…
何度伝えても、
どんな風に伝えても、
足りない。
額に触れる佐和さんの唇。
冷却シート越しの口づけ。
「ゆっくり眠るんだよ。」
優しい佐和さんの声を聞いてから眠りについた。