なのに、舞い上がってる私は、
「さぁ、来い!」
目を瞑って声を上げた。
「………ぶッ!」
佐和さんの噴き出す声が聞こえて、なんてこと言っちゃったんだろって恥ずかしくて目を開く事が出来なくて、
「その、意気込みはまた熱が下がったときに発揮して欲しいな。」
そんな佐和さんの言葉に更に恥ずかしさが増した。
私には芽衣ちゃんに教えてもらったごにょごにょ講座とは程遠い行動しか取れなくて落ち込むしかなかった。
『好き』でいっぱいなのに、どんな風に表現すればいいのかさえよくわからない。
せめてその『好き』だけでもうまく表現できたらいいのに…
『好き』は誰にも負けない自信があるのに…
『好き』の種類だって違いがわかったのに…
佐和さんに出逢って『好き』の違いに気付いたのに…
「佐和さんが好き。」