『嶋田さんはね、いつもキスするときは額からなんだよ。
いきなり唇にはキスされないの。
だけどね…むふッ…
嶋田さんが余裕?ないときは、いきなり熱いキスで唇を塞がれるの。』
確か芽衣ちゃんは、気持ちが高ぶると余裕がなくなるって言ってたよね?
それが一番相手がどんな状態かを見極めるのにわかりやすいって言ってたよね?
佐和さん、あなたは今私のどこに口づけをくれるの?
だけど佐和さんの唇は一向に私には触れてこない。
あれ?
合図、間違えちゃった?
不安になって瞼を持ち上げると不思議そうに私を見ている佐和さんと目があった。
やっぱり間違いだったのかもしれない…。
ドキドキしていたのは期待してたから?
そう思うとすごく恥ずかしくなって、今度は佐和さんの視線から逃げるようにぎゅっと目を瞑った。