ガバリと起き上がり、


「ごめんなさい!」


頭を深々と下げて謝る私に佐和さんは、とても優しい笑顔で言ってくれた。


「体はひとつになれなかったけど、そんなの問題じゃないよ。
心はひとつになれただろ?」


心?


きょとんとする私の耳元で、


「欲情してる紫衣はとても可愛かったよ。」


囁きを落とした。



「………!!」


私の反応にくすくすと笑う佐和さん。


頭が沸騰しちゃいそうなくらい熱い。


だけど、気になるのは現実と夢の境界で、


「私、いつ意識がなくなったんでしょう…。」


恥ずかしさを押し殺して佐和さんに尋ねた。


なのに佐和さんはニッコリ笑顔で私に聞き返すんだ。


「紫衣はどこまで覚えてるのかな?」


どこまでと言われましても…


「なんだか全部夢の中みたいで、その…くらくらだったし、ふわふわだったし境界線?がわからないんです。」


「そう?」


ギシリとベッドが軋むと佐和さんが私の寝ている布団に滑り込むようにして入ってきた。


そして私の首筋に顔を埋めたんだ。


ゾクゾクピリピリと電流が体を駆け巡る。


「覚えてます!この電流!」


叫ぶ私に佐和さんはまたくすくすと笑いを漏らした。