震えながら俯く私に佐和さんは大きなタオルケットを肩から掛けてくれた。
「紫衣、すごく綺麗だよ。」
だけど、言葉だけ…
やっぱり触れてはくれないの?
それとも私の体に幻滅した?
芽衣ちゃんみたいに大きい胸もお尻もないものね。
ストンとした体。
私だってこの体が愛想のない体だってわかってる。
慰めなんていらない…。
「無理しなくてもいいの、佐和さん。」
口をついた言葉にハッとした。
こんな言葉が言いたいんじゃない。
卑屈な自分が恥ずかしい。
「どういう意味?」
眉間に刻まれた皺。
お兄ちゃんが不機嫌なときや考え込んでるときに同じように眉間に皺を刻んでいた。
今、佐和さんの眉間の皺は不機嫌だから?
私の言葉に気分を害しちゃった?
「ごめんなさい…。」
「紫衣?」
佐和さんの親指が私の目許を優しく拭った。
涙を我慢できない自分も嫌い。
泣きたくなんかないのに、どうして涙が零れちゃうんだろう。
「どうした?」
優しい佐和さん。
「佐和さんが好きです」
佐和さんの腰に腕をまわしてぎゅっと抱きついた。
触れたくて…
抱きしめられたくて…
「好きです。」
溢れ出る想いが零れ落ちた。