ぎゅっと佐和さんの腰に回った腕に力を込めた。
ぴったりと重なる体は少しの隙間もないくらいくっついている。
「芽衣ちゃんにも悪いでしょ?
私を見て下さい。」
佐和さんが言った言葉は私をからかってたって解ってるけど、あえて芽衣ちゃんの名前を出した。
その方が重くならないかなって思ったんだ。
だけで佐和さんはやっぱり大人で、
「だったら紫衣が自分で脱げよ。」
芽衣ちゃんのメモにもそう書いてあっただろ?って返されてしまった。
試されてるんじゃないと思う。
佐和さんの優しさ。
私を踏みとどまらせる為の優しさを込めた言葉。
今、佐和さんの優しさに甘えたら何も変わらない。
もっとの気持ちをまた佐和さんに我慢させてしまう。
だから…
寝室のカーテンを閉めて部屋を薄暗くしたのは、少しの甘え。
だけど…
戸惑う佐和さんの前で私は自分の着ていた服を脱いだんだ。