「芽衣ちゃんの用意してくれた紙袋から落ちたんです。」
メモを指先で触れて自分の方に滑らせている佐和さんの手に自分の手を重ねて言葉を掛けた。
勢いよく重ねた手に佐和さんは驚いたのか手を引いて、私は無事メモを自分の手にすることが出来たんだ。
「読んでないなら読まないほうがいいと思うぞ?」
やっぱり少し様子のおかしい佐和さん。
だけど、そんな風に言われると読みたくなる。
「読みます。」
「………。」
珍しくキッパリと言い切る私に佐和さんは何も言わずに眉を下げて困った表情を浮かべている。
だけど、私は気にせずにそのメモに目を通した。
―紫衣へ―
着替えの服と一緒に入れてあるブラとショーツは私からのプレゼントだよ。
セクシーキュートな下着で石野さんを理性が崩れちゃうことを祈ってます!
なかなか脱がしてくれなかったら自分から脱いで下着で悩殺すること!
―芽衣より―
「……………。」
理性?
脱ぐ?
悩殺?
???!!!
固まる私に佐和さんの溜め息が聞こえた。
「だから読むなって言っただろ?」
呆れたような彼の言葉に肩を落とすしかなかった。