後部座席の私達とは違い助手席の芽衣ちゃんと運転席で運転をしている嶋田さんの会話はとても弾んでいる。
芽衣ちゃんの楽しそうな声を聞いているとキラキラとした笑顔が私にも想像がついた。
芽衣ちゃんが楽しんでるなら石野さんと仲良くなれなくても別にいいかな?
ずっと私を気にかけてくれていた芽衣ちゃん。
私は芽衣ちゃんの大切な紫衣ではない。
芽衣ちゃんの大好きだった紫衣は私と入れ替わってお兄ちゃんの側にいる。
私は…
本当の紫衣じゃない…
罪悪感がなかった訳じゃない。
だけど、お兄ちゃんの為だから…
だから芽衣ちゃんには幸せになってもらいたいんだ。
窓の外を眺めながらボンヤリと考え込んでいると次第に瞼が重くなってきた。
朝早く起きてお弁当を作ったりしたからかな?
とても眠い…。