会話の弾む二人を目の前に私たちは何も話せないまま船は琵琶湖一周を終えて船着場に着いた。
船から下りるとさっき乗った場所と違う場所に下りてしまっていた。
「芽衣ちゃん、ここさっきの場所と違うよ!!」
慌てた様子で芽衣ちゃんに話をしても芽衣ちゃんはニンマリと笑っているだけ。
「俺たちこの場所に車を止めているんだ。一緒にこの辺の探索をしようって事になったから一緒に降りたんだけど勝手に決めてしまって悪かったね。」
嶋田さんの説明を聞いて芽衣ちゃんのニンマリの意味がわかった。
そういうことね。
私は芽衣ちゃんと嶋田さんのお邪魔虫にならないように気をつけますよ!!
心の中で芽衣ちゃんにあかんべ-をしながら私は嶋田さんに向ってニッコリ微笑んだ。
「いいえ、ぜんぜん大丈夫です。芽衣ちゃんも嬉しそうですし。」
最後に一言付け加えたのはちょっとした意地悪。
芽衣ちゃんったら....
絶対私のこと忘れちゃってるよ。
芽衣ちゃんがあの調子なら私は必然石野さんとずっと一緒にいることになるんでしょう?
余り話し上手ではない二人だからとっても気まずい雰囲気気になるのにな...。