「あの人なんだ。さっき話した大学の人って...。」


芽衣ちゃんは頬を染めて話してくれる。



大学に見学に行った時に出逢った芽衣ちゃんの気になる人。


ちょっとワイルドな感じの逞しそうな人。


肌の色も黒く目の鋭い野性味たっぷりなタイプ。



「芽衣ちゃんって結構強い男の人が好みなんだね。」


「見た目で判断しないでよ!!彼とっても優しい瞳をしてるのよ。」


「遠くからじゃ瞳は見えないね。」


「でも...。夢みたい。彼にこんなところで逢うなんて。なんだか運命感じちゃわない?」


「はいはい。」



夢心地な芽衣ちゃんをとても可愛く思った。


運命の人か...。


私の運命の人はどこにいるんだろうな...。



「それよりケーキが食べたい。早く注文しようよ。」



話題を変えたことに芽衣ちゃんは少し不貞腐れたけど注文を済ませた。



私はイチゴのショートケーキと紅茶。


芽衣ちゃんがチョコレートケーキにコーヒー。




食べ物にもスッカリ慣れたけどコーヒーとチョコレートは苦手なまま好きになれない。



「コーヒーの美味しさはわかんないや。」



「紫衣はお子様使用だもんね。」



いつも私を馬鹿にする芽衣ちゃんにプッと頬を膨らませた。




ウェイトレスさんに注文を済ませて後の予定を考えることにした。



「この後どうするか考えようよ。」


テーブルいっぱいにマップを広げる芽衣ちゃん。


夢中でマップに載っている観光名所を詳しく書いてある文章を読み漁っていた。