「大丈夫でございますよ。」
殿は全く怒っていなかったという。
それよりも紫衣にとって金平糖は珍しくない物だと殿に臆することなく紫衣が話していると聞いて俺は安堵した。
震えるほど緊張していた紫衣。
本来の自分を取り戻すことが出来たのだと思うと朱里の起こしたとんでもない行動に感謝しなければならないのかもしれない。
「本当になんとも不思議な娘でございます。」
「なんせ400年の時を超えてきた娘であるからな。」
俺と朱里は顔を合わせて笑いあった。
殿と紫衣を支えていくのは俺だけではない。
朱里という強い味方も紫衣にはついている。
「朱里、これからも紫衣を頼んだぞ。」
「はい、お任せ下さい。」