川の水がさらさらと流れている。どこまでも青い空の下、澄んだ空気の中で、川原の原っぱには少女の凛とした声が響いていた。


ゆっくりと、流れるように紡いでいた昔話を話し終えると、朱麗はぱんっと開いていた本を閉じた。


この国では誰もが知ってる昔話だ。


「朱姉!もう終わり?」

「違うお話も聞きたい!」

「だぁめ」


キャッキャとはしゃぐ子供たちに目を細めながらも朱麗はぴしゃりと言い放つ。