保健室で保健の先生に怒られた。



「何でこんなことしたの?」

って言ったけど
答えなかった。


しばらくして
ほーむ(施設)の先生がきた。


そして先生と一緒に帰った。








……――。
帰り道。


いきなり先生が言った。

「ごめんなさいね。」

私は
意味がわからなくて
『どうして先生が謝るの?』
『謝らなきゃいけないのは真央だよ。ごめんね、先生』


「ちがうのよ。真央。
私が真央に寂しい思いをさせたからいけないのよ。
寂しかったから切ったんでしょう?」


『ちがうよ。
本当はね……』

「言いづらいのね。
私は絶対誰にも言わないわ。
だから、少しでいいから話してごらん。」

私は
親のことでいじめをうけたことを話した。


ほーむの先生だから
すべて話せたんだ。



先生は
聞いたあと泣いていた。


そして言った。
「真央に家族はいるわよ。
私や施設の子。たかさん(ほーむの先生の旦那さん)だってそうよ。」


「だから死んじゃだめよ。
真央が死んだら家族が悲しむのよ」



私は
うれしくてうれしくて
精一杯の力で
先生に抱き着いた。