トモが走ってる。
一生懸命なところから、『いつも真面目にやってるんだ』とわかった。
キレイな汗が飛び散っている。
アタシは中学で柔道部だった。
『きつかったけど充実してたなぁ』って思い出してたとき、
休憩に入ったトモが近づいてきた。
「見てました?」
「うん。かっこよかった☆」
「フフフッ♪素直ですねぇ☆」
「はぁ?おいっ...」
怒ろうとしたアタシを遮って、トモはすばやく言った。
「工藤先輩とどっちがかっこいいですか?」
「...はぁ!?」
何も言えないでいたらトモが、
「まだまだなんですね」
ってつぶやいた。