「ははっ!敬語なんてやめよ-ぜ?」

「あ、はい、うん」

「そうそう!
名前、なんて呼んだらいい?」


名前なんて、名字にさん付けでしか呼ばれたことがない…


「なっ、なんでもいいよ!」

「じゃあ れなって呼ばせて!」


どきっ とした。
男の子が、わたしの名前を、呼んでくれた。

鼓動がはやく、顔が熱くなる。

「あっ、ごめん!
いきなり呼び捨てなんてなれなれしいよな!」

「う、ううんっ!
れな、って、呼んで!」


顔がにやけて、ほっぺたが痛いくらい笑った。