「おーい!綾乃ちゃーん!」

「すみませーん」


はわわわわ
どっちに行けばいいの〜!?

こういう時お姉ちゃんだったらどうする!?

考えろ!考えろ〜!!


「綾乃、どーした?」


そう言ったのは、背が高く、顔立ちが整った、男の人だった。


……え?
だ…… 誰?

でも…カッコいいー……
なんかドキドキする―――


「綾乃ちゃーん!早くー!料理冷めちゃうじゃん!」
「あのー!会計!まだですかー!?」


その厨房からの声と怒っているようなお客さんの声に、アタシは現実に引き戻された。


どうしよう…かなり怒ってるよ〜


「……そういうことね…」

男の人は、そう言って厨房のほうに向かった。

助けてくれたのかな…?

ヤバい…あの人超好みかも……


「あの〜すみませーん」

「あ はーい!今スグ行きますっ!」


あの人に、あとでお礼したいな♪

すごい助かったし…彼のこと、もっとよく知りたいしね♪

バイト終わったらお礼しよっと♪

ん?でも…お礼って言ったら〜…漫画とか小説だったら……
『お礼?じゃあ俺と付き合って?』
とかかだったりして…なんて…エヘヘヘヘ☆