しばらくして病室の扉が開き和也のお母さんが入ってきた。

幸穂の泣き崩れる姿を見て和也のお母さんが駆け寄る。


「幸穂ちゃん…。」


「幸穂ちゃん…今お医者さんから話があってね…事故の衝撃がひどかったみたいで…いつ意識が戻るかわからないんだって…脳にも大きな傷を負っててもしかしたら意識が戻っても…記憶障害になるかもしれないんだって…。」
「…そう…なんですか…」
「和也ね幸穂ちゃんのことまだ好きみたいで毎日のように家で幸穂ちゃんの話するの。
幸穂ちゃんの話してるときの和也ほんとに輝いてて…
幸穂ちゃんと別れたときは食事もしないで部屋に閉じこもって泣いてたの。
それで和也には幸穂ちゃんが必要なんだって思ったの。
だからってわけじゃないんだけど…今日幸穂ちゃん呼んだの。」
「そうなんですか…。」