卒業式を間近に控えたころだった…。


その日も和也たちと遊ぶため支度をしていた。
突然電話が鳴った。お母さんは手が離せないため仕方なく幸穂がでることにした。


「はいもしもし。」
「あっ…もしもし。
幸穂ちゃん?和也の母だけど…」
「あっこんにちは。
そんなに慌ててどうしたんですか?」
「幸穂ちゃん落ち着いて聞いて。
実は…和也が車にひかれたの。」
「えっ…」
「もしもし幸穂ちゃん?」
「はい…」
「今近くの病院にいるからすぐに来て。」
幸穂は電話を切りその場に力つきて座りこんだ。
「幸穂?幸穂どうしたの?誰から電話だったの?」
「お母さん…か…和也が…」
「和也くんがどうしたの?」
「車に…ひかれたんだって…」
「えっ…和也くんが…。幸穂今すぐ和也くんのところに行きなさい。和也くんに必要なのは幸穂なのよ。」
「………。」
「幸穂、しっかりしなさい…幸穂…。」


幸穂は何も言わず走って家を飛び出した。



無我夢中で走り続けた。
途中何度もこけたりもした。



病院に着くと和也の親御さんがいた。