会ってるときには甘えたがるくせに、未だに私に心を開ききっているかというとそうでもない。優柔不断で食事ひとつにしても決断を私に任せるわりに、私の出す結論を信用していない彼は最終的には自分が食べたいものを食べる。長い長い時間をかけて、決める。

「何食べようか」

「何食べたいん?」

「決めて。決めれん」

「んー・・・、じゃあ、ハンバーグにしよう」

「うーん・・・・」

「・・・・」

「うー・・・ん・・・」

「・・・・」

「パスタにする」

で、心の中でツッ込む。

(じゃあ最初からパスタって言えよ・・)

これがデートの度に毎回。三年間、毎回だ。









さぁ。これまでの話まとめて・・・・
愛されてると、思います?
思いませんよね。私も全く思いません。

でも、彼は確かに三年間でミクロン単位で心のドアを開いて来てる。というか、小出しに自分情報をバラしはじめていて、そのことこそが
「特別」
と言われれば,私はもうそれに満足してしまうのだから、どうしようもない。
ポジションは,彼女というより「保母さん」だけれど。