私は少しはっきりしてきた頭でご飯を炊くかどうか考えた。



どうせ一人だし・・・



母親は風俗で働いている。

帰ってくれば煙草をふかし、また男の所に行ってしまう。



物心ついた頃からずっとそうだった為かあまり違和感というものは無い。



逆にありがたいとさえ思っている。




父親は浮気し、それが理由で離婚。


お定まりの話でしょ?




顔を荒いに洗面台へと歩き出した。

途中、上の階で携帯のバイブの音が微かに聞こえたがほっておいた。


鏡に映った顔は・・・


紛れも無く父親似の顔立ち。



こんな自分が嫌いで仕方無い・・・



母の気持ちも分かる。


浮気されて離婚した男に似た娘に愛情を注げないのは当たり前だ。



どっちにしろ、私には関係無い。




家族って思って無いから。